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【2026年】脱炭素経営入門!取組むメリット、ESG、GX、GHGScope1,2,3などキーワードをまとめました。

近年、CO2排出量の削減にむけた「脱炭素経営」に取組む企業が増えてきました。大企業だけでなく、取引先から対応を求められる中小企業にとっても重要な経営課題となっています。
この記事では、政府機関発行の資料をベースに脱炭素に取組む企業が増えている背景のほか、よく耳にするキーワードについてまとめています。
脱炭素経営が求められる背景
脱炭素経営*とは、気候変動対策(≒脱炭素)の視点を織り込んだ企業経営のことです。求められる背景には以下のようなことがあげられます。
*出展:環境省HPグリーン・バリューチェーン・プラットフォーム「脱炭素経営とは」
気候変動・温暖化
気候変動とは人間の活動の影響で気候が変わることです。「温室効果ガス」が大気に放出された結果、地球表層の温度が上がり、干ばつや高温、豪雨、森林火災などさまざまな問題が発生します。経済活動にも大きな影響が生じます。
気候変動、地球温暖化の原因となっている「温室効果ガス」の内、大きな割合を占めるのが二酸化炭素(CO2)です。このため、CO2削減が環境問題として取りざたされています。
気候変動・温暖化の大きな原因は「CO2排出量の増加」
世界での取り組み
パリ協定(2015年採択)
パリ協定は、すべての国が温室効果ガス削減に取組むことを合意した初めての国際条約です。CO2排出ゼロ(=脱炭素化)に向けて世界中が取組みをはじめました。パリ協定の数値目標は、各国の目標設定や企業の脱炭素活動のベースになっています。
パリ協定の長期目標:
世界の平均気温上昇を産業⾰命以前に⽐べて2℃より⼗分低く保ち、1.5℃に抑える努⼒をすること
出展:環境省HP「中⻑期排出削減⽬標等設定マニュアル」
ESG金融
ESG金融とは、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)といった非財務情報も考慮した投資や融資のことです。
ESG金融への国際的な関心が高まり、投資家や銀行からの要求は変化し、脱炭素経営に取組む企業かどうかが重視されるようになりました。企業価値の向上につながるよう、脱炭素経営戦略の開示(TCFD)や、脱炭素に向けた目標設定(SBT、RE100)を通じて脱炭素に取組むグローバル企業が増えています。
また、こうした企業は、取引先(サプライヤー)にも目標設定や再エネ調達などを要請するようになっています。
出展:環境省HP「中⻑期排出削減⽬標等設定マニュアル」
ESG金融:環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を考慮した投資や融資のこと
国としての動き
日本政府によるカーボンニュートラル宣言(2020年)と国の削減目標
菅総理大臣(当時)は、2020年10月26日「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。
2021年10月22日に「2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減し、さらに50%削減に向け挑戦する」こと、さらに2025年2月18日に「2035年度、2040年度において、温室効果ガスを2013年度からそれぞれ60%、73%削減することを目指す」ことを「国が決定する貢献(NDC)」として国連に提出しました。
日本の排出削減目標
2050カーボンニュートラル:表明済み
2030年目標:-46%[2013年度比](さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けていく)
2035年目標:2035年度-60%[2013年比]、2040年度-73%[2013年比]
出展:外務省HP「日本の排出削減目標」
温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)改正(2021年)
温対法は、温室効果ガスを相当程度多く排出する者(特定排出者)に、自ら温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することを義務づけています。
2021年の改正では、パリ協定と2050年カーボンニュートラル宣言に向けた基本的な考え方が示され、「2030年度に2013年度比で46%削減し、さらに50%削減を目指す」ことが表明されました。温対法では国や自治体はじめ、企業などが連携してCO2削減を目指さなければならないとしています。
GX(グリーン・トランスフォーメーション)
国は、産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体を変革すべく、「エネルギーの安定供給・経済成長・排出削減」の同時実現を目指す「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」を推進しています。
2023年度に「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案(GX推進法)」、2025年に閣議決定された「GX2040ビジョン」に基づき、「カーボンプライシング(排出量取引・化石燃料賦課金)構想」「脱炭素電源の導入拡大」などが進められています。
出展:経済産業省HP「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」
脱炭素経営に取組むメリット
国際的な市場で取引を行うグローバル企業では、脱炭素経営に関する、RE100(Renewable Energy 100%)や SBT(Science Based Targets)等の国際的な民間イニシアティブに加わる企業が近年増加しています。既に排出量の多い産業や企業は、国際世論や金融機関から厳しい視線を浴びる一方、脱炭素に取組むことで将来の環境変化に対応できる企業として評価されます。自らの事業活動に伴う排出だけではなく、原材料・部品調達や製品の使用段階も含めた排出量を削減する動きや、金融機関の融資先の選定基準に地球温暖化への取組状況が加わるケースが増えています。
グローバル企業を取引先とする中小企業では、取引先(サプライヤー)としてCO2排出量測定や削減目標の設定を求められることが増えています。脱炭素への取組みは、温室効果ガス削減の取組が光熱費・燃料費削減というメリットとなるだけでなく、売上の拡大や金融機関からの融資獲得を得る機会ともなります。
環境省では、中小企業の脱炭素経営に取組むメリットとして「優位性の構築」「光熱費・燃料費の低減」「知名度・認知度向上」「社員のモチベーション向上・人材獲得」「好条件での資金調達」があるとしています。
脱炭素経営に取組む5つのメリット

出展:環境省「脱炭素経営で未来を拓こう」「中小規模事業者向けの脱炭素経営導入ハンドブック」
脱炭素経営のキーワード
脱炭素の取り組み方
脱炭素経営の取組は、大きく「知る」「測る」「減らす」の3つのステップにわけられます。

「知る」:カーボンニュートラルに向けた情報を収集し、自社が目指す方向性を検討する
「測る」:自社のCO2削減量を算定し、削減対象を特定する
「減らす」:削減対策を検討の上実施計画を策定し、対策を実行する
出展:環境省「脱炭素経営で未来を拓こう」
【CO2排出量の算出】算定式・GHGプロトコル
脱炭素化経営ではCO₂排出量を数字で把握することが重要です。
CO2排出量の算定式(見える化)
CO2排出量は、活動量(電気や燃料の使用量)に係数を乗じることで算定することができます。
活動量は、電気や燃料の使用量、焼却量などの排出活動の規模を表す指標のことを言います。係数は、活動量あたりのCO2排出量を表します。対象となる主なエネルギー種別には、電気、灯油、都市ガス、ガソリン、軽油、液化ガスなどがあります。詳しくは環境省「算定方法・排出係数一覧」を参照ください。
CO2排出量 = 活動量 × 排出係数
GHGプロトコル・Scope1,2,3
GHGプロトコルは、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の算定・報告に用いられる国際的な規格です。
サプライチェーン排出量は、自社の直接的な排出だけでなく、自社事業に伴う間接的な排出も対象とし、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量を指します。つまり、原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、一連の流れ全体から発生する温室効果ガス排出量のことです。

サプライチェーン排出量 = Scope1排出量 + Scope2排出量 + Scope3排出量
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3 : Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
出展:環境省HPグリーン・バリューチェーン・プラットフォーム「サプライチェーン排出量全般」
【目標設定・取組み】SBT・RE100
SBT(Science Based Targets)
SBTとは、パリ協定に沿った、企業の中長期な排出削減目標とその設定を行う国際的なイニシアティブ(先進的な環境取組と主導する組織)です。世界中で多くの企業が認定を受けています。
企業がSBT認定を取得するには、SBT水準の排出削減目標を設定しSBT運営事務局(SBTi)に申請、認定される必要があります。認定後はSBTiのウェブサイトに企業名と目標が公開されます。参考:SBTiウェブサイト
SBTでは、サプライチェーン全体の排出量(Scope1排出量 + Scope2排出量 + Scope3排出量)の削減が求められます。
・中小企業向けSBT
従業員500人未満・非子会社・独立系企業が対象です。目標要件は通常のSBTと異なり、Scope1、 Scope2排出量が削減対象範囲となります。SBTの運営事務局に目標提出後は自動的に承認されSBTiのウェブサイトに掲載されます。
RE100(Renewable Energy 100%)
RE100とは、遅くとも2050年までに、事業を100%再エネ電力で賄うという企業の目標とその認定を行う国際的なイニシアティブです。世界で影響力のある企業が参加しています。
企業がRE100認定を取得するには、RE100水準の再エネ電力調達目標を設定し申請後、参加が認められるとRE100のウェブサイトに企業名と目標が公開されます。参考:RE100ウェブサイト
RE100では、自社グループ全体の消費電力(購入電力及び自家発電電力)が対象になります。サプライチェーン排出量ではScope1(発電に係る燃料の消費) + Scope2(他社から供給された電気の使用)が対象になります。
・再エネ100宣言 RE Action
RE100の参加要件を満たさない団体を対象として発足された、再エネ100%を目指す日本独自のイニシアティブです。
出展:環境省「中長期排出削減目標等設定マニュアル」
【情報開示】TCFD
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
TCFDは投資家等に適切な投資判断を促すために、気候関連財務情報開示を企業へ促す民間主導のタスクフォースです。
企業が気候変動のリスクを認識し経営戦略に織り込むことを、ESG投資を行う投資家・金融機関は重視しています。TCFDは企業に対し気候変動の財務影響の開示を求めており、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と⽬標」の4つの要求項目があります。
出展:環境省HP「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」
まとめ
脱炭素経営は、グローバルな大企業、中小企業にとって重要な経営課題となっています。
パリ協定や日本政府のカーボンニュートラル宣言を背景に、ESG投資やGX推進、Scope1・2・3の排出量管理への対応が求められています。これらの対応は、取引や資金調達に直結し、企業価値向上にもつながります。まずは「知る・測る・減らす」の3ステップで、自社の排出量を把握し、削減計画を立てることが重要です。脱炭素経営は、環境保全だけでなく、競争力強化の鍵となります。
太陽光発電設備の導入は「Scope2(購入電力による間接排出)」に該当し、CO2の大幅削減が可能です。自家消費型の太陽光発電であれば、電力購入コストが削減でき経営の安定性につながります。脱炭素への積極的な取り組みは、企業の社会的責任(CSR)を示し、顧客や求職者からの信頼を獲得できます。
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